ミネラル水の噴霧による農作物の収穫・ミネラル含量への影響

https://www.jrias.or.jp/report/pdf/21J1.2.25.pdf (引用文)
ミネラル水の噴霧による農作物の収穫・ミネラル含量への影響
佐々木敏秋1、世良耕一郎1、後藤祥子2、細川貴子2、齊藤義弘2、松本義雄3
1 岩手医科大学医歯薬総合研究所高エネルギー医学研究部門(サイクロトロンセンター)
020-0603 岩手県滝沢市留が森348-58
2 日本アイソトープ協会仁科記念サイクロトロンセンター
020-0603 岩手県滝沢市留が森348-58
3 総合研究所
329-3212 栃木県那須郡那須町大字富岡 1220-69
1 はじめに
近年、我国の農地はミネラル不足が加速する傾向にあり、それが農作物の収穫量・品質に影
響を与えている。天然林の土壌において、ミネラル濃度は長期間一定値を保つことが予想される。
葉が落ち腐葉土となり土に返り、水流とともに漏出する分は雨水から供給されるという循環機構
が働いているからである1,2。それに対し農地においては、農作物は収穫され土に返ることはな
く、また近年の多くの農地は有機農法を行わず窒素・リン酸・カリウムのみを含む化学肥料のみ
が与えられている場合が多い。ミネラル不足の土壌で何回も収穫が繰り返される結果、農地のミ
ネラル不足は加速し、それが農作物の生育や品質に悪影響を与えている1,2。
肥料は通常、固形(粉末)か溶液の形で農作物に与えられる。前者の場合、肥料は水に溶け
可給態となった後はじめて農作物に吸収される。そのため効果に即効性はない反面、持続性があ
る。それに対し溶液状の肥料は可給態であり、すぐに吸収され効果を発揮する。
当然予想されることながら、農作物中の元素濃度は植物の生育環境により大きく影響を受け
る3。以上の観点から、農作物の収穫量・滋養はミネラルを多く含む水を投与することにより改
善されることが期待される。現在の野菜の味と香りが、4~50 年昔の野菜のそれらと比べ薄くな
っている、と感じる人が多いという事実もミネラル不足と関係していると予想され、そのことか
ら、ミネラル供給により野菜の収穫量のみならず品質も改善されることが期待される。
著者の一人(松本)は、阿武隈山地で採取される岩石(雲母鉱)からミネラルを抽出する工
業的方法を開発し、それを農作物への肥料として製品化している。各地で収穫量の増加が報告さ
れているが、今回我々は実際の農耕地において米・大豆を含む種々の農作物に対しミネラル水を
散布し、収穫量の増加、ミネラル含量の変化、及び両者の関係を定量的に調べることとした。
2 実験方法
2.1 ミネラル水肥料
NMCC共同利用研究成果報文集21(2014)
241
Fig. 1. The mineral water: P.M-4000.
ミネラル水の商標はP.M-4000 であり、Fig. 1 に写
真を示す。上述のように阿武隈山地で採取された雲
母鉱石から、特殊な方法で抽出したものである。そ
の元素成分をPIXE により分析した結果をTable 1
に示す。原液であるため元素濃度が非常に高く特に
鉄濃度が高いため、測定時には通常の500 μm Mylar
吸収体に加え後述の「特殊吸収体」も用いられた。
亜鉛(Z=30)より重い元素濃度は、特殊吸収体を用
いた測定により得られたものである。表に示すよう
に、硫黄、カリウム、チタン、鉄濃度が高く、その
他マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛、ルビジウム
などの必須元素濃度も高い。一方、有害元素に関して
はクロム、鉛が若干高いものの砒素、水銀などは検出限
界値以下であった。発癌や動脈硬化を防ぐ効能が知られ
ているセレン4 は検出されなかったが、他の重元
素濃度が高い影響で検出限界値が高かったこと、
またセレンは僅かな摂取で効能を発揮すること
から大きな問題ではないと考えられる。注目すべ
きは、化学肥料に多く含まれ植物にとって三大栄
養素であるリンが検出限界以下であった点であ
る。そのため、植物の代謝活性のためには化学肥
料との併用が効果的であると考えられるが、今回
の実験はミネラル水のみの投与に限定した。
2.2 ミネラル水散布法
実験は岩手県八幡平市の農地において、2007
年4 月から9 月の期間にわたり行われた。散布
法は以下のとおりである。先ず原液を水で4000
倍に希釈し攪拌する。次にその希釈液を噴霧器で
農作物の葉に直接散布する。散布は2 週間ごとに
数ヶ月にわたり行われた。今回の一連の実験を行
うのに、Fig. 1 のミネラル水1 瓶で十分であった。
Fig. 2 にはミネラル水散布の効果を表す写真
を示す。農作物は大豆であり、同一条件の農地の
右半分にのみミネラル水散布を行ったものであ
る。ミネラル水投与の成長速度に与える影響が顕
著に現れている。同様な効果がその他の多くの農
作物に認められた。味の変化に関しての定量的評
価は難しいが、多くの農作物に対し収穫量の増加
と味の改善が認められた。
2.3 農作物とその採取
実験は 7 種の農作物(米・とうもろこし・アスパラガス・アマランス・そば・大豆・フキ)
に対し行われた。それらの名称と学名をTable 2 に示す。元素濃度に関しては、ミネラル水投与
Element
(Atomic number)
Concentration
(μg/mL)
Error
( μg/mL )
Na Sodium (11) N.D. ―
Mg Magnesium (12) 1050 33.2
Al Aluminum (13) 1440 44.4
Si Silicon (14) 8.9 5.8
P Phosphorus (15) N.D. ―
S Sulfur (16) 23300 704
Cl Chlorine (17) N.D. ―
K Potassium (19) 1960 60.3
Ca Calcium (20) 106 8.9
Ti Titanium (22) 1150 60.3
Cr Chromium (24) 18.9 6.9
Mn Manganese (25) 121 12.3
Fe Iron (26) 13900 42.3
Cu Copper (29) 0.466 0.46
Zn Zinc (30) 18.5 1.3
Ga Gallium (31) 1.31 0.36
As Arsenic (33) N.D. ―
Se Selenium (34) N.D. ―
Rb Rubidium (37) 21 1.5
Sr Strontium (38) 3.54 0.35
Hg Mercury (80) N.D. ―
Pb Lead (82) 2.26 1.3
Table 1 Mineral contents of P.M-4000
(μg/mL)
NMCC共同利用研究成果報文集21(2014)
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詳細は・・・・
https://www.jrias.or.jp/report/pdf/21J1.2.25.pdf

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