スルホニル尿素薬(SU薬)

●糖尿病内服治療薬の中では、最も多く使用されている薬です。
SU(エスユー)薬は、インスリンを合成する膵臓のβ細胞に働き、インスリンの分泌を促進させる薬です。また、末梢の筋肉でのブドウ糖利用を高め、肝臓からのブドウ糖放出を抑制する膵外作用もあるとされています。その主な作用機序をもう少し詳しく説明しますと、下記のようになります。


血液中のブドウ糖濃度が上昇すると、ブドウ糖は膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)の表面に発現するGLUT2という運び屋により、細胞の中に取り込まれます。取り込まれたブドウ糖は代謝を受け、ミトコンドリアでATP(エネルギー)が産生されます。このATP濃度が増すと、細胞表面のカリウムチャンネルを閉鎖します。そうするとKが細胞外にでなくなり、細胞膜の脱分極が起こり細胞内外で電位差が生じます。その結果、カルシウムチャンネルが活性化しカルシウムが細胞内に流入し、カルシウム濃度が上昇すると、細胞は活動的になり、インスリンを遊離することになります。
SU薬は、カリウムチャンネルの一部を構成するSU受容体と結合して、ATPとは無関係にカリウムチャンネルを閉じてしまいます。この結果、カルシウムが細胞内に流入して、インスリンを分泌することになるのです。

糖尿病性腎症の症状と発症のしくみ

糖尿病がもたらす糖尿病腎症の症状や治療法について

糖尿病腎症は初期にはほとんど症状がみられません。進行するにつれ血中のタンパク質が減少、さらに進むと水分のろ過ができなくなり透析が必要となります。ここでは糖尿病性腎症の症状と発症のしくみをドクター監修のもと解説します。

糖尿病性腎症の症状と発症のしくみについて説明します。

糖尿病性腎症の初期は自覚症状がほとんどない

糖尿病性腎症は、かなり進行してからでないと自覚症状はあらわれない病気です。
糖尿病性腎症は、試験紙を使った尿タンパク検査ではその精度から異常がわかりません。しかし、尿の精密測定を行うと、尿の中に微量のアルブミンが漏れでていることから、腎症が始まっているかどうかが判別できます。この初期の段階では、適切な血糖コントロールによって腎臓の機能を回復することも可能です。いかに早く腎症のはじまりに気づき、治療を開始するかということが大切です。

糖尿病性腎症が進行してくるとあらわれる症状は?

糖尿病性腎症が進行すると、腎臓の糸球体のろ過能力が低下するため、大量に尿にタンパクが排出されるようになります。すると、血液中のタンパク量が減少するようになり、高血圧やむくみ、高コレステロール症など、ネフローゼ症候群と呼ばれる症状があらわれます。
さらに、腎症が進行すると貧血、食欲の低下、強い疲労感、嘔吐、むくみの悪化、筋肉の痛みなどの腎不全症状が始まります。最終的には腎臓が働かなくなり、体に水が溜まることによる肺水腫や心不全、毒素が溜まることによって昏睡などを引き起こします。そのため、血液を人工的に外部からろ過する透析治療が必要となります。

糖尿病性腎症が発症するしくみ

糖尿病性腎症が発症する原因は、高血糖による動脈硬化です。あわせて腎症を悪化させる要因には、高血圧や高タンパク食、脂質異常症などがあげられます。
高血糖により、腎臓にある糸球体の毛細血管を硬くしてしまいます。さらに高血圧が毛細血管壁にダメージを与えることで悪化します。
硬化した糸球体はだんだんとろ過能力が衰え、正常なろ過ができなくなります。そうすると、タンパクを尿へと排出してしまい血中のタンパク量が低下します。尿の検査値に異常があらわれるだけでなく、しだいにむくみなどの症状があらわれます。また、血圧をコントロールするホルモンが働かず、高血圧が悪化し、さらに、血管にダメージを与えるという悪循環に陥ります。さらに病気が進行すると、老廃物を含む水分を排出できなくなるほど腎機能が低下しますので、透析治療の開始となります。
糖尿病性腎症は持続的にタンパク質が尿に排出されるようになると、進行を止めることしかできません。糖尿病と診断されたら、自覚症状を待たずに1年に1度は微量アルブミン尿検査を受けておくことが大切です。

電解質異常(総論)の基礎知識

電解質異常(総論)の基礎知識

電解質異常(総論)とは?

 

電解質異常(総論)に関連する治療薬

カリウム製剤

  • 体内にカリウムを補充しカリウムが不足することでおこる脱力感や吐き気などの症状を改善する薬
    • 低カリウム血症は血液中のカリウム濃度が低下した状態で筋肉症状、消化器症状などがあらわれる
    • カリウムは筋肉や神経などの働きに関わる
    • 本剤はカリウムを含む製剤であり体内にカリウムを補充する
  • 利尿薬などの薬剤を使用中に起こりうるカリウム不足に対して使用される場合もある
カリウム製剤についてもっと詳しく≫

 

陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)

  • 腸管内で薬剤のもつ陽イオンをカリウムイオンと交換しカリウムイオンを排泄させて血液中のカリウム値を下げる薬
    • 慢性腎不全では腎機能低下により血液中のカリウム値が高くなりやすくなる
    • 血液中のカリウム値が高いままだと高カリウム血症がおこりやすくなる
    • 本剤は腸管内でカリウムイオンを本剤のもつ陽イオンと交換し、体外へ排泄させる樹脂製剤
陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)についてもっと詳しく≫

 

カルシウム製剤

  • 体内にカルシウムを補充し、骨粗しょう症、高リン血症、消化器症状などを改善する薬
    • カルシウムは体内で骨を強くする作用、リンを体外へ排泄する作用、胃酸に対する制酸作用などをあらわす
    • 本剤はカルシウムを含有する製剤で、製剤毎の特徴などによって色々な疾患・症状に使用する
  • 本剤は主に有機酸系カルシウム製剤と無機系カルシウム製剤に分かれる
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インスリン製剤

  • インスリンを体内に投与することで、血糖値を下げ糖尿病による合併症を防ぐ薬
    • 糖尿病は血糖値が高い状態で、この状態が続くと様々な合併症を引き起こす
    • インスリンは血糖を下げるホルモン
  • インスリン製剤はインスリンアナログ製剤とヒトインスリン製剤に分かれる
  • インスリン製剤は作用発現時間や作用持続時間などにより以下の種類に分かれる
    • 超速効型:作用発現時間が10〜20分、作用持続時間は3〜5時間で「食直前に投与」
    • 速効型:作用発現時間は30分〜1時間、作用持続時間は5〜8時間で「食前30分に投与」
    • 持効型:作用持続時間は約24時間又はそれ以上で、継続使用時に明らかなピークが見られないため、中間型に比べてよりスムーズに基礎分泌を補いやすいメリットが考えられる
    • 中間型:作用発現時間は30分〜3時間、作用持続時間は18〜24時間(同じ中間型でも製剤によっては作用持続時間に開きがある場合もある)
    • 混合型:超速効型又は速効型に、一定量の添加物を加えたり中間型を組み合わせた製剤(超速効型又は速効型の配合割合が複数存在する)
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電解質異常(総論)の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

電解質異常とは一つの病気の名前ではなく、高ナトリウム血症低ナトリウム血症、またナトリウムではなくカリウムやカルシウムといった電解質ミネラル)の過不足を指した言葉です。それぞれで治療法が変わってきます。
上記のような症状に該当してご心配な方は内科の総合病院の内科での受診をお勧めします。その際には、どういう状況なのか(健康診断で電解質異常が判明したのか、何らかの症状があって電解質異常ではないかと自分で考えているのかなど)を正しく伝える必要があります。
電解質異常そのものを治療するだけでなくその原因となった病気を治療しなければなりませんので、腎臓の病気であれば腎臓内科、副腎の病気ならば内分泌代謝科など、原因が判明次第、実際には各科が担当になることがほとんどです。
電解質異常の診断は血液検査で行います。その上で、追加で行う検査としては様々ですが、尿検査、心電図頭部CT腹部CT腹部エコーなどのうちいくつかが必要となることが多いです。これらの検査が行える、総合病院の内科を受診することをお勧めします。

 

この病気でお困りの方

軽症であれば内服薬で様子を見ながら通院で治療することもありますし、重症の場合には意識障害やけいれん、心臓発作などの症状が出ますので入院となります。
電解質異常の原因によっては手術が必要となったり、特別なホルモンの検査が必要となったりします。これは比較的まれなパターンではありますが、そのようなケースでは手術が行える施設を備えた病院や経験の豊富な大学病院を紹介受診(または入院中の転院)することがあります。詳しくはそれぞれの電解質異常のページもご参考になさってください。