血液検査

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血液検査
病院や健康診断で広く行われている血液検査ですが、検査の結果に異常値があると心配になってしまいますよね。
検査の項目も多くありますが、それぞれの数値は身体のどのような状態を示しているのでしょうか?検査結果の見方について詳しく解説します。

血液検査とは

腕まくりする男性
血液は全身の細胞や器官に酸素や栄養を送り届け、また不要な老廃物や炭酸ガスを受け取る働きがあります。心臓から送り出される酸素や栄養に富んだ血液を動脈、末梢器官や臓器から老廃物を回収して心臓に戻る血液を静脈といい、一般的な血液検査は静脈血を採取して行います
血液は、血漿(けっしょう)をいう液体成分が約半分、残りの半分は血球と呼ばれる成分でできています。血漿にはタンパク質や脂質、ブドウ糖、ホルモンや電解質などが含まれており、一方、血球には赤血球や白血球、血小板などが含まれています。
血液検査は、この血液に含まれる成分を検査薬にかけて調べることで、身体の状態や異常を知ることができるのです。検査の目的によって血漿や血球、または血漿からさらに血液凝固因子を取り除いた血清など必要とする成分が異なります。これらを効率的に検査するために、血液を固まらなくする成分(抗凝固剤)入りのものや、反対に早く固まって分離を促進する成分(凝固促進剤)入りのものなど、いくつかの試験管(採血スピッツ)に採取します

一般的な血液検査の種類と基準値

血液検査からは身体のあらゆる状態をはかることができますが、健康診断や病気の初期診断では、身体の概ねの状況を把握するためのスクリーニング(ふるい分け)検査が行われます。

<基準値(基準範囲)とは>

基準値とは、健康な多くの人たちの検査データをもとに統計学的に求められた数値で、95%の人が該当する範囲を示しています。基準値(基準範囲)は医療機関や健診機関によって異なり、統一されたものはありません。また多くの基準値は40代の健康人を対象としたもので、高齢者や未成年者の場合は当てはまらないケースもあります。
検査結果がそれぞれの基準値を下回っている場合は「L(Low)」、高い場合は「H(High)」と表示されるなど、表示のしかたも様々ですが、基準値を逸脱していることが必ずしも病気や異常を示しているわけではありません。検査の結果と病気の診断については、必ず医師に相談したうえで理解しましょう。

<特定健診や労働安全衛生法に基づく健康診断で行われるもっとも一般的な検査>

検査項目 検査で何がわかるのでしょうか? 基準値範囲(参考)
肝機能検査 AST(以前のGOT) ASTとALTはアミノ酸を作る酵素です。肝臓に多く含まれており、肝臓のほかにも心臓や骨格筋にも多く含まれています。肝臓がダメージを受けるとこの数値は高くなり、肝炎や脂肪肝、肝細胞がんを発見する手がかりとなります。 10~38
ALT(以前のGPT) 6~38
γGTP アルコールに強く反応する酵素で、アルコール性肝障害を調べる指標(アルコール性肝障害の場合は上昇)となります。 男性
7~70
女性
5~30
脂質検査 HDL-C (HDLコレステロール) 血管に付着したコレステロールを取り除いて動脈硬化を予防する善玉コレステロールです。数値が低いと心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。 男性
40.0~71.5
女性
40.0~85.6
LDL-C (LDLコレステロール) HDLコレステロールとは逆にコレステロールを取り込む悪玉コレステロールです。高値の状態が続くと動脈硬化を引き起こします。 70~139
TG(中性脂肪) 脂肪の一種で、エネルギー源として利用されたのち、余ったものが皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。肥満や高脂肪の食事で上昇し、動脈硬化や脂肪肝の原因となります。 50~180
血糖検査 血糖 血液中のブドウ糖は、生命活動を維持するエネルギー源です。糖尿病の場合は血糖値が高くなります。 70~110
HbA1c (ヘモグロビンA1c) 通常の血糖検査ではその時点での状態しかわかりませんが、HgbA1cは採血時から約3か月間のさかのぼった血糖の状態を調べることができ、糖尿病の診断指標となる検査です。 4.3~5.8
(JDS)
4.6~6.2
(NGSP)

<病院などで一般的に行われるスクリーニング検査>

検査項目 検査で何がわかるのでしょうか? 基準値範囲(参考)
胆膵検査肝 TP(総蛋白) 血清中の蛋白質の総量です。栄養状態や全身状態を判断する指標のひとつで、栄養状態が悪い場合は低値となります。 6.3~8.5
ALB(アルブミン) アルブミンは肝臓で合成される蛋白質です。栄養状態や肝機能が悪いと低下します。 3.3~5.1
ALP(アルカリフォスターゼ) 肝臓、骨、腸、腎臓など多くの臓器に含まれている酵素で、おもに肝細胞癌や胆道系の病気で上昇します。 110~390
AMY(アミラーゼ) デンプンを分解する酵素で、唾液腺と膵臓で作られます。膵臓がんや膵炎など膵臓の病気で高値になります。 40~126
TB(総ビリルビン) 赤血球を分解し、体外に排出する過程で作られる物質です。肝臓や胆道系に障害がある場合に高くなり、黄疸(皮膚や眼球が黄色くなる症状)が見られる場合があります。 0.2~1.0
筋肉関連酵素検査 CK(クレアチンキナーゼ) 筋肉や脳に多く存在し、筋肉の収縮に関連する酵素です。心筋や骨格筋、脳が損傷を受けると上昇します。 18~145
電解質検査 電解質検査は、血液中のイオン濃度を測定し、体内のバランス異常を調べる検査です。
Na(ナトリウム) ナトリウムは体内の水分調節に関与しています。脱水症の場合には上昇し、腎不全や甲状腺機能低下症、利尿剤の服用などで低下します。 136~147
K(カリウム) カリウムは神経や筋肉のはたらきを調節しており、カリウムが低いと神経がマヒしたり、高すぎると不整脈などを発症しやすくなります。 3.5~5.0
Cl(クロール) クロールもナトリウムと一緒に水分の調節に関与しています。脱水や過換気症候群で高くなり、嘔吐や下痢などで低くなります。 95~110
Ca(カルシウム) カルシウムは、骨や歯の形成、神経刺激の伝達、血液の凝固などのはたらきをしています。 カルシウムが高値の場合は、悪性腫瘍や多発性骨髄腫など骨代謝の異常が疑われます。低値の場合は、甲状腺機能亢進症や悪性腫瘍、サルコイドーシスなどの内分泌異常が疑われます。 8.0~10.0
腎機能検査 BUN(尿素窒素) 尿素に含まれる窒素の量です。腎臓の働きが弱くなると尿への排出量が減少し、血中の尿素量が増加します。 7~22
CRE(クレアチニン) 筋肉で生成される物質です。腎臓の働きが弱くなると尿への排泄量が減少し、血中クレアチニン量が増加します。 男性
0.6~1.1
女性
0.4~0.9
UA(尿酸) 尿酸は細胞のプリン体が分解してできた老廃物です。プリン体を多く含む食事をしたり、腎機能が低下している場合、血中の尿酸が増加します。持続的に尿酸値が高いと痛風の原因となります。 男性
3.0~7.5
女性
2.1~6.5
炎症反応検査 CRP(C-反応性蛋白) 炎症反応や組織が破壊された際に血中に現れるタンパク質で、感染症や炎症があると高くなります。 0.2 以下
一般的な血液検査 WBC(白血球) 白血球は、病原微生物などから身体を守る働きがあります。炎症や感染症の場合に増加します。白血病などで正常な造血機能が低下した場合やステロイド剤の長期服用によって減少することがあります。また、かぜや一時的なウイルス感染などで低下することもあります。 男性
3.5~9.8
女性
3.3~9.5
RBC(赤血球) 赤血球は、肺でガス交換を経て身体のすみずみに酸素を運び、炭酸ガスを排出する役割をします。赤血球の中にヘモグロビンという色素が含まれており、これが酸素と結合します。血液中の、血球割合を診るのが、ヘマトクリットです。これらの値が低い場合は貧血、高い場合は多血症が疑われます。 男性
395~563
女性
389~501
Hb(ヘモグロビン/血色素) 男性
13.5~17.6
女性
11.3~15.2
Ht(ヘマトクリット) 男性
39.8~51.8
女性
33.4~46.4
Plt(血小板) 血小板は、血栓を作って出血を止める働きがあります。血小板数が少ないと、血が止まりにくく、出血しやすくなります。多すぎる場合は血栓の原因となります。 男性
13.0~38.0
女性
14.0~36.0

<特殊検査>

健康診断や初期診断で行われることはなく、病気の確定診断や病状や経過の把握を目的として行われる検査です。

検査項目 検査で何がわかるのでしょうか? 基準値範囲(参考)
炎症反応検 RA(リウマチ因子) RAテストで強い陽性反応(数値が高くなること)が出る場合は、関節リウマチの可能性が高くなりますが、この検査だけでは断定できません。
膠原病や結核、慢性肝炎、糖尿病などで陽性を示すこともあるほか、健康な人であっても弱い陽性反応が出る場合があります。
20以下
赤沈(赤血球沈降速度) 赤血球の沈むスピードを測定する検査です。
多くの疾患で高値(速度が速くなる)となりますが、この検査だけで診断することはできません。
15以下(1時間値)
感染症
抗原抗体検査
HCV-抗体検査 (C型肝炎ウイルス抗体検査) 陽性の場合はC型肝炎の感染状態を示します。
C型肝炎の診断のほか、献血時の供血スクリーニング検査として行われます。
(-)
HBs-抗原検査 (B型肝炎ウイルスS抗原検査) 陽性の場合はB型肝炎ウイルスの存在を示します。 (-)
HBs-抗体検査 (B型肝炎ウイルスS抗体検査) 陽性の場合はかつてB型肝炎ウイルスの感染を受けたことを示します。ワクチン接種を受けて抗体ができた場合にも陽性になります。 (-)
腫瘍マーカー CEA(癌胎児性抗原) 消化管のがんで値が上昇します。 5.0以下
AFP(α-フェトプロテイン) 肝細胞がんで上昇します。
肝炎肝硬変でも軽度上昇する場合があります。
10以下
CA19-9(癌関連抗原) 膵臓がん胆道がんのほか、各種消化器がんで上昇します。 37以下
CA125(癌関連抗原)

おもに卵巣がんで上昇します。 35以下

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